お部屋に彩りを添えてくれるドライフラワー。ただ飾るだけでなく、アロマオイルを垂らすだけで、空間を心地よい香りで満たすインテリアアイテムに変身します。
しかし、ドライフラワーへアロマオイルを垂らす際には、どのくらいの量をたらせば良いのか、香りが薄れたらどうやって香りを復活させるのか、そもそもポプリとは何か、といった疑問も多いのではないでしょうか。
この記事では、基本的な花材選びから、ドライポプリやモイストポプリの作り方、さらにはポプリの花におすすめの種類や、バラを使った電子レンジでのポプリの作り方に至るまで、幅広く解説します。
ポプリオイルやポプリのエッセンシャルオイルの違い、ポプリの入れ物で変わる様々な楽しみ方、そしてポプリを作る時の注意点もご紹介します。
また、アロマオイルの代わりに香水かけるのは良いのか、アロマディフューザーとしての活用法など、あなたの知らない楽しみ方が見つかるかもしれません。
- ドライフラワーに最適なアロマオイルの量や香りを復活させる方法
- アロマオイルの代用に香水が使えるかといった疑問への答え
- ドライポプリとモイストポプリの具体的な作り方と注意点
- ポプリの入れ物やアロマディフューザーなど様々な楽しみ方
ドライフラワーにアロマオイルを垂らす香りの楽しみ方
- 香りが長持ちするドライフラワーの花材選び
- アロマオイルを垂らす量はどれくらいですか?
- 薄れた香りを復活させる簡単な方法
- アロマオイルの代わりに香水かけるのはOK?
- ポプリとは?ドライフラワーで作る室内香
香りが長持ちするドライフラワーの花材選び

ドライフラワーで香りを楽しむためには、香りを保ちやすい花材を選ぶことが最初の鍵となります。
なぜなら、すべての植物が乾燥後も香りを放つわけではなく、種類によって香りの持続性が大きく異なるためです。香りを重視する場合は、もともと香りが強い植物を選ぶと良いでしょう。
例えば、ラベンダーやローズ、ユーカリ、ローズマリーなどは、ドライになった後も比較的長く香り続けることで知られています。
ラベンダーにはリラックス効果、ユーカリには清涼感があり気分をリフレッシュさせる効果があると言われ、アロマの世界でも人気の高い植物です。これらの香りが好きな方は、積極的に材料として取り入れることをお勧めします。
一方で、あえて香りの弱い花材を選ぶという選択肢もあります。香りがほとんどない、あるいは微香性の花をベースにすれば、垂らすアロマオイル本来の香りを純粋に楽しむことが可能です。
花の香りとオイルの香りが混ざることを避けたい場合に有効な方法です。
このように、作りたい香りのイメージに合わせて、花材そのものの香りを活かすのか、それともアロマオイルの香りを主役にするのかを考えることで、より自分好みの香り空間を演出できます。
アロマオイルを垂らす量はどれくらいですか?

ドライフラワーにアロマオイルを垂らす際の量は、多すぎても少なすぎてもいけません。一般的には、3滴から5滴程度が最適な量と考えられています。
その理由は、量が少なすぎると香りが十分に広がらず、逆に多すぎるとオイルで花がべたついたり、シミの原因になったりする可能性があるからです。
また、香りが強すぎると、かえって不快に感じてしまうこともあります。
最も失敗が少ない方法は、まず2、3滴から試してみることです。香りの広がり方を確認しながら、物足りないと感じたら1滴ずつ足していくやり方が良いでしょう。
空間の広さやドライフラワーの量、飾る場所の空気の流れによっても香りの感じ方は変わります。
ちなみに、来客時など一時的に香りを強くしたい場合には、普段より少し多めの5滴から10滴ほど垂らすと、空間全体にしっかりと香りが広がります。
要するに、少量から始めて、お部屋の環境やその時々の気分、目的に合わせて量を細かく調整することが、心地よい香り空間を作り出すコツと言えます。
薄れた香りを復活させる簡単な方法

ドライフラワーに付けたアロマの香りは、時間が経つにつれて徐々に薄れていきます。しかし、香りが弱くなっても諦める必要はありません。簡単な方法で、再び心地よい香りを取り戻すことが可能です。
最も手軽な方法は、香りが薄れたドライフラワーに、再度アロマオイルを数滴垂らすことです。最初に香り付けしたときと同じオイルを使えば、同じ香りを継続して楽しめます。
気分を変えたいときには、別の香りのオイルを試すのも良いでしょう。
また、ドライフラワーを優しく揉んだり、容器に入っている場合は軽くかき混ぜたりすることでも、内部に残っていた香りが再び立ち上ることがあります。花びらや葉が壊れないように、そっと触れるのがポイントです。
さらに、ポプリのダニ防止も兼ねて、数日間しっかりと天日干しした後に霧吹きで軽く水分を与えると、香りが立ちやすくなるという情報もあります。
ただし、水分が多すぎるとカビの原因になるため、霧吹きはごく少量に留める注意が必要です。これらの方法を試すことで、お気に入りのドライフラワーの香りを長く楽しむことができます。
アロマオイルの代わりに香水かけるのはOK?

アロマオイルの代わりに、手持ちの香水をドライフラワーに吹きかけて香りを楽しみたいと考える方もいるかもしれません。結論から言うと、これは可能ですが、いくつか注意すべき点があります。
まず、香水にはアルコールが多く含まれているため、種類によってはドライフラワーの花びらを傷めたり、変色させたりする可能性があります。
特に色の薄い繊細な花にかける場合は、目立たない部分で試してから使う方が安心です。
また、香りはアロマオイル(精油)と香水では性質が異なります。アロマオイルは植物から抽出された純粋な香りですが、香水は様々な香料をアルコールで調合して作られています。
そのため、香りの持続時間や広がり方が違うことを理解しておく必要があります。一般的に、香水のトップノートはすぐに飛び、香りの持続時間はアロマオイルよりも短い傾向にあります。
もし香水を使うのであれば、ドライフラワーに直接吹きかけるのではなく、コットンやティッシュに含ませて、ドライフラワーの根元など見えない場所に置く方法もおすすめです。
こうすることで、花材へのダメージを最小限に抑えながら香り付けができます。
ポプリとは?ドライフラワーで作る室内香

ポプリとは、乾燥させた花やハーブ、スパイス、果物の皮などを混ぜ合わせ、アロマオイルやエッセンシャルオイルで香り付けした、室内用のフレグランスアイテムです。
ドライフラワーを用いて作るため、香りだけでなく、その美しい見た目も楽しむことができます。
主な用途は、瓶や布袋に入れてお部屋に飾り、芳香剤として使うことです。フタ付きの瓶に入れれば、香りを楽しみたいときだけフタを開けて使うことができ、香りを長持ちさせられます。
透明なガラス瓶に入れると、色とりどりの花材がインテリアの素敵なアクセントになるでしょう。
ポプリと似たものに「サシェ」がありますが、両者には明確な違いがあります。ポプリは花の形をある程度残したまま瓶などの容器に入れるのに対し、サシェは細かく砕いた花材を布製の小袋に入れたものを指します。
ポプリは置き型インテリアとして、サシェはクローゼットに吊るしたり、引き出しに入れたりして使われることが多いです。
このように、ポプリはドライフラワーと香りを組み合わせて楽しむ、古くから親しまれているナチュラルな芳香剤の一種なのです。
ポプリ用にドライフラワーへアロマオイルを垂らす作り方
- ドライポプリとモイストポプリの作り方
- バラを電子レンジで?おすすめの花と作り方
- ポプリオイル使用時の注意点と選び方
- 入れ物やアロマディフューザーでの楽しみ方
ドライポプリとモイストポプリの作り方

ポプリには、主に「ドライポプリ」と「モイストポプリ」の2種類があり、それぞれ作り方や特徴が異なります。どちらも魅力的なので、目的に合わせて選んでみてください。
特徴 | ドライポプリ | モイストポプリ |
花の状態 | 完全に乾燥させる | 半乾きの状態 |
主な材料 | ドライフラワー、アロマオイル | 半乾きの花、塩 |
熟成期間 | 約3〜5週間 | 約2週間〜1ヶ月 |
香りの持続 | 数ヶ月〜1年 | 数年 |
香りの追加 | 可能 | 基本的にしない |
ドライポプリの作り方
ドライポプリは最も一般的で、初心者でも手軽に作れるのが魅力です。
- まず、生花を完全に乾燥させ、ドライフラワーにします。風通しの良い日陰で7〜10日ほど吊るすのが基本的な方法です。
- 乾燥した花を密閉できる袋や容器に入れ、お好みのアロマオイルを数滴垂らして全体によく混ぜ合わせます。
- 袋や容器のフタをしっかりと閉め、香りが馴染むまで冷暗所で3〜5週間ほど熟成させます。
- 熟成が終わったら、お気に入りの瓶などに入れて完成です。香りが弱くなったら、オイルを足して再び香りを楽しむことができます。
モイストポプリの作り方
モイストポプリは、塩を使って花から水分を抜き、香りを凝縮させる伝統的な製法です。香りが非常に長持ちするのが特徴です。
- 生花を1〜2時間ほど置き、少ししんなりする程度の半乾きの状態にします。完全に乾燥させないことがポイントです。
- 密閉できる瓶の底に粗塩を敷き、その上に半乾きの花を並べます。
- 「塩→花→塩→花」の順で、交互に層になるように瓶に詰めていきます。花と塩の割合は、おおよそ1:1が目安です。
- フタをしっかりと閉め、冷暗所で2週間から1ヶ月ほど熟成させたら完成です。フタを開けて、熟成された深い香りを楽しみます。
バラを電子レンジで?おすすめの花と作り方

ポプリ作り、特にドライポプリの材料となるドライフラワーは、電子レンジを使うと時間を大幅に短縮して作ることができます。特にお祝いなどで貰うことの多いバラは、この方法に向いています。
電子レンジを使ったドライフラワーの作り方
- バラの花を、茎を短く切って耐熱皿に置きます。花同士が重ならないように注意してください。
- 電子レンジに入れ、600Wで50〜70秒ほど加熱します。加熱時間は花の大きさや水分量によって変わるため、30秒くらいから様子を見ながら少しずつ追加していくのが失敗しないコツです。
- 加熱しすぎると焦げてしまうので、花びらがパリッとして水分が飛んだ状態になればOKです。レンジから取り出し、粗熱が取れたらドライフラワーの完成です。
ポプリにおすすめの花
ポプリに使う花は、基本的にどんな種類でも構いませんが、目的によっておすすめがあります。
- 香りを重視する場合: バラ、ラベンダー、ジャスミン、キンモクセイなど、もともと香りが強い花が向いています。ハーブ類のミントやローズマリー、レモングラスも爽やかな香りを加えてくれます。
- 見た目を重視する場合: バラ、千日紅(せんにちこう)、スターチス、かすみ草など、乾燥させても色や形が綺麗に残りやすい花がおすすめです。色鮮やかな花材を組み合わせることで、インテリア性の高いポプリになります。
- 季節感を楽しむ: 季節ごとに咲く花を取り入れるのも素敵です。春はバラやラベンダー、夏はマリーゴールド、秋はサンダルウッド(香木)やジュニパーベリー、冬はスイセンやミントなどが季節の雰囲気を演出してくれます。
ポプリオイル使用時の注意点と選び方

ポプリに香り付けをするオイルには、大きく分けて「エッセンシャルオイル(精油)」と、合成香料などを含む「アロマオイル(フレグランスオイル)」があります。ポプリオイルという名称で販売されているものもあり、これらは主に後者のアロマオイルにあたります。これらを選ぶ際と使用する際には、いくつかの注意点があります。
まず、オイルの選び方です。エッセンシャルオイルは100%天然の植物から抽出されたもので、植物本来の香りと共に、アロマテラピーで言われるような効能も期待できます。一方、アロマオイルは人工的に香りが作られているものも多く、香りの種類が豊富で価格も手頃なのが特徴です。どちらが良いというわけではなく、天然の香りにこだわりたいならエッセンシャルオイル、気軽に様々な香りを楽しみたいならアロマオイル、というように目的で選ぶのが良いでしょう。
次に、使用時の注意点です。オイルは少量でも強く香るため、入れすぎには注意が必要です。数滴垂らして香りの強さを確認し、足りなければ追加するようにしましょう。また、オイルの原液が直接家具やプラスチック製品、布などに付着すると、シミになったり変質させたりすることがあります。ポプリを作る際は、オイルがこぼれないように下に新聞紙などを敷いて作業することをお勧めします。
そして、香りの組み合わせも大切です。例えば、ラベンダーの花には同じフローラル系のローズのオイルを合わせるなど、似た系統の香りをブレンドすると、互いの良さを引き立て合い、深みのある香りが生まれます。
入れ物やアロマディフューザーでの楽しみ方

完成したポプリは、入れ物や飾り方を工夫することで、楽しみ方がぐっと広がります。香りだけでなく、見た目も美しいポプリの魅力を最大限に引き出してみましょう。
入れ物で楽しむ
最も一般的なのは、透明なガラス瓶やキャニスターに入れる方法です。色とりどりの花材が層になった様子が見え、それだけで素敵なインテリアになります。アンティーク調の瓶や、コルク栓の小瓶など、お部屋のテイストに合わせて容器を選ぶのも楽しい時間です。フタ付きの容器を選べば、香りの強さを調整したり、来客の直前にフタを開けて香りを広げたりといった使い方ができます。
また、オーガンジーやリネン素材の小袋に入れて「サシェ」として使うのもおすすめです。クローゼットに吊るせば衣類にほのかな香りが移り、引き出しやバッグの中に入れておけば、開けるたびに優しい香りが広がります。
アロマディフューザーのように使う
ポプリをアロマディフューザーのようにして、より積極的に香りをお部屋に広げる方法もあります。例えば、浅めのガラス皿やトレイにポプリを広げて飾ると、空気に触れる面積が大きくなり、香りが拡散しやすくなります。
さらに、電気を使わないリードディフューザーのように活用することも可能です。口の狭い小瓶にポプリを少し入れ、そこにリードスティック(ラタンスティックなど)を数本挿します。スティックがポプリに含まれるオイルを吸い上げて、空間に香りを放ってくれます。この方法なら、火も電気も使わないので安全に楽しむことができます。
総括 : ドライフラワーにアロマオイルを垂らして楽しもう
この記事では、ドライフラワーにアロマオイルを垂らして楽しむための様々な方法や知識について解説しました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- ドライフラワーの香りを楽しむには香りを保ちやすい花材選びが大切
- 代表的な花材はラベンダー、ローズ、ユーカリなど
- オイルの香りを主役にしたい場合は香りの弱い花材を選ぶ
- アロマオイルを垂らす量は3滴から5滴が目安
- 少量から試して好みに合わせて調整するのがコツ
- 香りが薄れたら再度オイルを垂らすか優しく揉むと復活する
- 香水の代用も可能だがアルコールによる花材の傷みや変色に注意
- ポプリはドライフラワーに香りをつけた室内用フレグランス
- ドライポプリは完全に乾燥させた花から作る
- モイストポプリは半乾きの花と塩で熟成させて作る
- ドライポプリは香りの追加が可能で、モイストポプリは香りが長持ちする
- 電子レンジを使えば短時間でドライフラワーを作れる
- ポプリ作りではオイルの入れすぎや家具への付着に注意
- 透明な瓶に入れると見た目も楽しめるインテリアになる
- 小袋に入れてサシェとしてクローゼットで使うのもおすすめ
- 皿に広げたりリードスティックを挿したりしてディフューザーとしても活用できる